厚生労働省が平成30年度の地方労働行政運営方針をまとめました。各都道府県労働局や労働基準監督署、ハローワーク等はこの方針に沿って業務を行いますので、方針の中で掲げられている項目は、労務課題を検討するにあたり優先的に対応すべき項目であるとも考えられます。非常に多岐にわたるため、まずは雇用環境・均等担当部署(注)の重点施策から確認してみたいと思います。なお、筆者が注目している箇所は赤太字としています。
(注)雇用環境・均等担当部署とは
各都道府県労働局には以前から男女雇用機会均等法や育児・介護休業法等に関する問題に対処する部門が設置されていましたが、平成28年4月より業務を拡大して働き方改革等も取り扱うように組織が再編されています。
- 男女ともに働きやすい雇用環境を実現するため、「女性の活躍推進」や「働き方改革」等の施策をワンパッケージで効果的に推進します。
- 労働相談の利便性をアップするため、パワハラや解雇等に関する相談窓口とマタハラやセクハラ等に関する相談窓口を一つにします。また、個別の労働紛争を未然に防止する取組(企業指導等)と、解決への取組(調停・あっせん等)を、同一の組織で一体的に進めます。
(東京労働局ホームページより)
雇用環境・均等担当部署の重点施策
- 働き方改革と女性活躍の推進の一体的な取組支援
- 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保など非正規雇用の処遇改善
- パートタイム労働法の確実な履行に向けた適切な指導等
- 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保に関する法制度の周知
- 非正規雇用労働者の均等・均衡待遇や正社員転換に取り組む事業主への支援
- 均等・均衡待遇に関する相談支援の実施
- キャリアアップ助成金の活用促進
- 長時間労働の抑制及び年次有給休暇の取得促進等
- 長時間労働の抑制及び年次有給休暇の取得促進
- 企業経営陣への働きかけ
- 年次有給休暇の取得促進
- 中小企業・小規模事業者への支援
- ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた働き方・休み方の見直し
- 都道府県における地方公共団体及び労使等の関係者から構成される会議の開催
- 長時間労働の抑制及び年次有給休暇の取得促進
- 女性の活躍推進等
- 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保対策の推進
- 女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定促進等
- 中小企業に対する女性活躍推進の取組の促進
- 職業生活と家庭生活の両立支援対策の推進
- 改正育児・介護休業法の確実な履行確保及び周知
- 男性の育児休業取得等の促進
- 両立支援に取り組む事業主に対する支援
- 両立支援に関する効果的・効率的な情報提供等
- 両立支援等助成金の活用
- 次世代育成支援対策の推進
- テレワークの普及促進及び就業環境整備
- 雇用型テレワークの推進
- 自営型テレワークの就業環境の整備
- 副業・兼業の促進
- 民間企業における「配偶者手当」の在り方の検討に向けた取組
- 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保など非正規雇用の処遇改善
- 安心して働くことができる環境整備の推進
- 総合的ハラスメント対策の一体的実施
- 一体的なハラスメント相談体制等の整備
- 職場における妊娠・出産、育児休業等に関するハラスメント対策の推進
- 職場におけるセクシュアルハラスメント対策の推進
- 職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた環境整備
- 妊娠・出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いへの厳正な対応
- 個別労働関係紛争の解決の促進
- 相談、助言・指導及びあっせんの適切かつ積極的な実施
- 総合労働相談コーナーの機能強化
- 効果的な助言・指導及びあっせんの実施
- 関係機関・団体との連携強化
- 相談、助言・指導及びあっせんの適切かつ積極的な実施
- 男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パートタイム労働法関係の紛争解決の援助
- 労働条件の確保・改善対策(周知・啓発等)
- 無期転換ルールの周知・啓発
- 専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法の円滑な施行
- 学生アルバイトの労働条件の確保に向けた取組
- 最低賃金・賃金引上げに向けた中小企業・小規模事業者の生産性向上の支援
- 業務改善助成事業
- 相談等支援事業
- 中小企業団体助成事業
- 適正な労働条件の整備
- 「多様な正社員」の普及・拡大
- 医療従事者の勤務環境の改善に向けた取組の推進
- 雇用労働相談センター等の周知・運営
- 豊かで安定した勤労者生活の実現
- 中小企業退職金共済制度の普及推進
- 総合的ハラスメント対策の一体的実施
関連記事: