平成31年度(2019年4月から2020年3月まで)の任意継続被保険者の標準報酬月額上限が改定されます。それによってどのような影響が生じるのか、解説いたします。
任意継続被保険者の保険料とは
第四十七条 任意継続被保険者の標準報酬月額については、第四十一条から第四十四条までの規定にかかわらず、次の各号に掲げる額のうちいずれか少ない額をもって、その者の標準報酬月額とする。
健康保険法
一 当該任意継続被保険者が被保険者の資格を喪失したときの標準報酬月額
二 前年(一月から三月までの標準報酬月額については、前々年)の九月三十日における当該任意継続被保険者の属する保険者が管掌する全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額(健康保険組合が当該平均した額の範囲内においてその規約で定めた額があるときは、当該規約で定めた額)を標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときの標準報酬月額
任意継続被保険者の標準報酬月額は、A.(退職や勤務時間減少等に伴う)資格喪失時の標準報酬月額と、B.全被保険者の平均額から算定した標準報酬月額を比較して、額の少ない方を用いることになっています。
いったい何が変更になるのか?
今回変更になるのは、上記のBです。協会けんぽの場合、これまで長年にわたりBの額は28万円でした。それが、平成31年度は30万円に変更となります。
※平成30年9月30日時点における協会けんぽの全被保険者の標準報酬月額の平均額が291,181円であったため、この金額を標準報酬月額の等級表に当てはめると、22級(=標準報酬月額30万円)に該当します。
これにより、4月以降に退職等で資格喪失した場合は、資格喪失時点の標準報酬月額と30万円のいずれか低い額を標準報酬月額として、任意継続被保険者の保険料を算定することになります。例えば、退職時の標準報酬月額が50万円であった場合は、50万円と30万円を比較して、低い方の30万円で保険料を計算します。
また、平成31年3月以前から既に任意継続被保険者であって、平成30年度の標準報酬月額の上限額28万円が適用されていた場合、平成31年4月からは適用される標準報酬月額が30万円に改定されることにより、保険料が上昇することが見込まれます。