すでにご存知の方も多いかもしれませんが、「指さし会話」をご紹介します。指差し会話というのは日ごろよく使うフレーズなどが記載されたものを用意し、自分が相手に伝えたい内容のフレーズを指さして行う会話方法です。(紙のシートやスマートフォン・タブレットのアプリなどもあります。)
国内では今のところ、外国人観光客との接点が多い業種で使われているケースが多いようです。飲食店、宿泊業、小売業、タクシー、医療機関などです。これらの業種で外国人観光客と接する場合に必要な会話のパターンはある程度決まっていると考えられ、それらを盛り込んだ指差し会話ツールで必要最小限度のコミュニケーションは可能です。
指差し会話ツールを自前で用意するのはなかなかに困難ですが、近年はインバウンド需要の高まりを受けて各地方自治体が指差し会話シートを無料で提供していることが多いです(データをダウンロードして紙などに印刷して使う)。都道府県レベルに留まらず市町村レベルで用意している場合もあり、各地方自治体のホームページを検索してみてください。自治体によっては観光案内や緊急連絡先・避難先等について指さし会話シートに盛り込んでいる場合もあり、活用の範囲が広がりますね。
自社所在地の地方自治体が適当な指さし会話ツールを提供していなかった場合にお勧めなのが熊本県です。熊本県では宿泊業、物販業、飲食業、タクシー業、金融業について英語・中国語・タイ語・韓国語の指さし会話シートを提供してくれているのですが、熊本県の名称やロゴ、観光情報等が含まれていないので、熊本県以外の事業者にも使い勝手がいいと思います。
地方自治体が無料で提供してくれるものでは物足りなかったり、自社の業種に当てはまらなかったりすることもあると思います。そのような場合は有料になりますが、オリジナルの指さし会話シートを作成してくれる企業もあり、検討してみてもよいでしょう。
なお、指さし会話は外国人とのコミュニケーションだけでなく、聴覚障害がある方とのコミュニケーションに活用する等も可能かと思います。その他にもアイディア次第で色々な活用方法が見つかりそうですね。