介護保険料・健康保険料が令和3年3月分(4月納付分)から変わります

 介護保険料と健康保険料は毎年3月に保険料率の見直しが行われます。この度、令和3年度の保険料率が公表されましたので、ご紹介します。

 なお、給与計算をする際に、保険料計算の変更を忘れないようにご注意ください。

介護保険料

 介護保険料は令和3年3月分(4月納付分)から保険料率が1.80%に変更され、これまでの1.79%から僅かながら引き上げとなります。

 高齢者の数の増加に伴い、介護に係る費用も年々増加していることから、介護保険料率の引き上げはやむを得ないところでしょう。

健康保険料

 健康保険料は保険者(協会けんぽや各健康保険組合)によって異なりますが、ここでは中小企業の多くが加入している協会けんぽの各都道府県支部別の保険料率をご紹介します。

※令和3年度の都道府県別の保険料額表は協会けんぽホームページからダウンロードできます。

 令和3年度の最も保険料率の低い新潟県(9.50%)と最も保険料率の高い佐賀県(10.68%)の差は1.18%となっており、かなりの開きがあります。

 両県を標準報酬月額が30万円の被保険者で比較すると、被保険者が負担する保険料額の差が、月額1,770円(年額21,240円)となります。

 協会けんぽの場合、各都道府県の保険料率は、地域の医療費水準に基づいて決定されますので、以下のような取り組みが保険料率の削減に効果的です。

<医療費削減に効果的な取り組みの例>

  • 健康診断・保健指導を受ける → 未病段階や初期段階での対処・治療による医療費の削減
  • ジェネリック医薬品の利用促進 → ジェネリック医薬品への置き換えによる医療費の削減

 また、協会けんぽではインセンティブ制度が設けられており、インセンティブ制度の評価指標の実績がポイント化され、ポイントランキングの上位23支部(=都道府県)については保険料率が引き下げられることになっています。

 令和3年度では、島根県が最もインセンティブ制度の恩恵を受けており、保険料率が0.064%引き下げられています。

<インセンティブ制度の評価指標>

  • 特定健診等の実施率
  • 特定保健指導の実施率
  • 特定保健指導対象者の減少率
  • 医療機関への受診勧奨を受けた要治療者の医療機関受診率
  • ジェネリック医薬品の使用割合

 ご覧のとおり、インセンティブ制度の評価指標と医療費削減に効果的な取り組みが重複していることがお判りいただけることかと思います。

 一粒で二度おいしいこれらについて、ひとりひとりの積極的な取り組みが、保険料削減に繋がるのです。