新たに雇用管理制度を導入し、離職率を低下させた事業主を助成

 従業員の職場定着の促進を図るには、働きやすい職場づくりが欠かせません。これを後押しするものとして、雇用管理改善、生産性向上などに取り組む事業主を助成する制度があります。

 新たに雇用管理制度を導入・実施することで離職率が低下した場合に支給される『人材確保等支援助成金』(雇用管理制度導入コース)を紹介します。

人材確保等支援助成金(雇用管理制度導入コース)

【主な支給要件】

 以下の①~④のすべてを満たす必要があります。

  1. 雇用管理制度整備計画を作成し、管轄の労働局長の認定を受けること(対象となる雇用管理制度は後述)。
  2. 認定された雇用管理制度整備計画に基づき、計画期間内に雇用管理制度を導入・実施すること。
  3. 評価時離職率算定期間(計画期間終了後12カ月間)の末日まで引き続き雇用管理制度を運用すること。
  4. 評価時離職率を、計画提出前1年間の離職率よりも、目標値(対象事業所における雇用保険一般被保険者数により3~15%)以上に低下させること。また、評価時離職率が30%以下となっていること。

【助成額】

57万円(生産性要件を満たした場合は72万円)

※複数の雇用管理制度を導入した場合も助成額は変わりません。

【受給手続】

 以下の流れで受給の手続きを進めます。

  1. 雇用管理制度整備計画を作成し、本社の所在地を管轄する都道府県労働局に提出
  2. 認定を受けた計画に基づく雇用管理制度の導入
  3. 導入した雇用管理制度を計画どおりに実施
  4. 評価時離職率算定期間の終了後2カ月以内に支給申請

【対象となる雇用管理制度】

 計画に基づき、事業所の通常の労働者全員に対して、以下に該当する雇用管理制度を、各労働者に1つ以上実施する必要があります。

評価・処遇制度評価・処遇制度(評価対象者・評価者・評価基準・実施方法・反映方法等を定めた制度)、昇進・昇格制度、賃金制度(退職金制度・賞与を含む)、諸手当制度(住居手当・家族手当・役職手当・資格手当ほか)を導入すること。
研修制度新入社員研修、管理職研修、新任担当者研修など、新たな教育訓練制度、研修制度を導入すること。
健康づくり制度法定の健康診断に加えて、胃がん検診、子宮がん検診、肺がん検診、乳がん検診、大腸がん検診、歯周疾患検診、骨粗鬆症検診、腰痛健康診断のいずれか1つ以上を導入すること。
メンター制度会社や配属部署における直属上司とは別に、指導・相談役となる先輩(メンター)が後輩(メンティ)をサポートする制度を導入すること。専門家等による外部メンターの活用も可。
短時間正社員制度(保育事業主のみ対象)
保育に関わる従業員の多様な働き方を推進するための短時間正社員制度を導入すること。

 なお、本助成金にはこれ以外にも細かい支給要件がございますので、詳細は厚生労働省ホームページをご確認ください。