職場適応援助者助成金

 中小企業であっても障害者雇用を推進することが望ましいとは理解しつつも、障害者を初めて雇用する場合はノウハウも何も無く、採用に二の足を踏んでしまうのではないでしょうか。

 そのような場合、社内に企業在籍型職場適応援助者(以下、ジョブコーチと言います。)を配置し、雇用する障害者の職場適応に向けて援助を行った事業主に支給される助成金がありますのでご紹介します。

ジョブコーチとは

 障害者の職場適応に向けて、障害者と職場それぞれに対してアドバイスを行います。以下の3つの形があります。

  1. 配置型職場適応援助者:地域障害者職業センターに所属し、事業所に出向いて支援を行う
  2. 訪問型職場適応援助者:社会福祉法人等に所属し、事業所に出向いて支援を行う
  3. 企業在籍型職場適応援助者:事業所の従業員が養成研修を受講して職場内の障害者に支援を行う(※本助成金受給にあたっては常用雇用労働者であることなど一定の要件あり)

対象となる障害者

 以下1~4の全てに当てはまる方

  1. ①身体障害者、②精神障害者、③知的障害者、④発達障害者、⑤難治性疾患のある者、⑥高次脳機能障害のある者、⑦地域障害者職業センターが作成する職業リハビリテーション計画のある障害者 のいずれかに該当すること
  2. 常用雇用労働者(1年超の雇用が見込まれる雇用保険被保険者等)であること
  3. 当該対象障害者のための支援計画があること
  4. 本助成金のうち訪問型職場適応援助者による支援対象者として現に支援されていないこと

支給対象となる支援内容

支援計画に基づいて実施される次の1から4のいずれかの措置

  1. 支援対象障害者と家族に対する支援
  2. 事業所内の職場適応体制の確立に向けた調整
  3. 関係機関との調整
  4. その他の支援(地域障害者職業センターが必要と認めて支援計画に含めた支援)

支給額

 次の1と2の合計額となります。

  1. 下表の一人あたり月額×支援が実施された月数(上限6カ月)
障害の種別雇用形態支給額(括弧内は中小企業以外の金額)
精神障害者短時間以外12万円(9万円)
精神障害者短時間労働者6万円(5万円)
精神障害者以外短時間以外8万円(6万円)
精神障害者以外短時間労働者4万円(3万円)
  1. 企業在籍型職場適応援助者養成研修受講料の2分の1(但し、受講料全てを事業主が負担し、かつ研修修了後6カ月以内に初めての支援実施が条件)

その他の主な要件

  • 地域障害者職業センターが作成または承認した支援計画に従って、適切に職場適応援助を行うこと
  • 同一の企業在籍型職場適応援助者が行う職場適応援助について、過去に本助成金を受給していないこと
  • 同一の対象障害者について、支援開始日前の3年間に2回(精神障害者の場合は3回)以上、本助成金を受給していないこと

受給手続き

 受給には2回の手続きが必要になります。申請先は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の各都道府県支部です。

  1. 受給資格認定申請:支援計画の開始日から3カ月以内
  2. 支給申請:支給対象期間末日の翌日から起算して2カ月以内