留学生アルバイト雇用の注意点とは
留学生をアルバイト雇用したことはございますでしょうか。留学生ということで、文化や言葉の面がまずは心配になるかと思いますが、それ以外にも留学生を雇用する場合には特有の注意点がいくつかあります。場合によっては、罰金刑や懲役刑が科されますので、そのようなことの無いように、抑えるべきポイントを把握しておきましょう。
留学生はまず在留資格の確認を
外国人が日本で就労するためには、就労可能な在留資格のあることが必要です。留学生は就労するためでなく勉学のために来日していますので、原則として働くことはできません。しかしながら、就労が認められない在留資格(留学生に与えられる「留学」という在留資格等)であっても、「資格外活動許可」を受けてアルバイトをすることが可能です。従って、留学生を雇用する場合、まずは在留資格と資格外活動許可の確認をして下さい。不法就労させた場合、本人だけでなく使用者側も入管法違反(罰金、懲役規定あり)となります。
なお、「在留カード」で在留資格の確認を行うことが一般的ですが、近年では在留カードの偽造が頻発したこともあり、在留カード確認アプリ(PC版、スマホ版)や在留カード等番号失効情報が出入国在留管理庁から公開されています。
留学生は雇用の届出が必要
外国人(特別永住者、在留資格「外交」「公用」の者を除く)を採用し、又は退職した際には、ハローワークへの届出が義務付けられています。ここでいう外国人には留学生も含まれますので、留学生をアルバイト雇用する場合も届出が必要です。届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合は、労働施策総合推進法違反(罰金規定あり。)となります。
届出は、外国人雇用状況届出書に必要事項を記載してハローワークへ提出します。もしくは、厚生労働省の専用サイトからオンラインで届出をすることも可能です。(なお、留学生以外の外国人を雇用する場合で、かつ、雇用保険の被保険者となる場合は、雇用保険の資格取得届や資格喪失届に外国人に関する情報を記載することで報告が完了し、外国人雇用状況届出書を別途提出することは不要です。)
留学生は労働時間がシビア
留学生は資格外活動許可を受けることで就労が可能ですが、労働時間の制限が厳しく制限されています。資格外活動許可を受けて就労が可能なのは「1週28時間まで」とされており、アルバイトを複数掛け持ちしている場合はそれら全てを合算して「1週28時間」までとなります。(なお、夏休み等は1週28時間の制限ではなく、「1日8時間まで」の制限になります。この場合、1週の上限は労働基準法が定める基準が適用されます。)違反した場合は使用者側も入管法違反(罰金、懲役規定あり)となります。
留学生と租税条約
留学生が所得税の免除を申し出てくる場合があります。国によって税制度が異なるのは当然ですが、その結果として出身国と滞在国で二重に課税される場合があります。そのような事態を避けるために当事者国の間で租税条約を締結していることがあり、租税条約に基づき日本国内での所得税免除が認められる場合があります。所得税免除が認められている場合は、給与から源泉所得税を控除する必要はありません。