働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

 働き方改革には業務の効率化や社内制度の整備が必要になることがありますが、それらにはどうしても費用が発生してしまいます。

 本助成金は、時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の取得促進に向けた環境整備を目的として、外部専門家によるコンサルティングや労務管理用機器の導入等を実施し、環境整備を完了した事業主に対して、その経費の一部が支給される助成金です。(なお、従業員の賃金を3%以上引き上げることで、支給上限額の加算があります)。

対象事業主

 次のいずれにも該当する事業主です。

  • 労働者災害補償保険の適用事業主であること。
  • 交付申請時点で、「成果目標」1から3の設定に向けた条件を満たしている(つまり、成果目標をまだ達成していない)こと。
  • 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること。
  • 資本金又は常時使用する労働者数が以下の条件に当てはまること。

成果目標

 以下の1から3の内1つ以上を選択して実施することが必要です。また、4の成果目標を任意で追加することが可能です。

  1. 全ての対象事業場において、令和5年度又は令和6年度内において有効な36協定について、時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出を行う。
  2. 全ての対象事業場において、年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入する。
  3. 全ての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入し、かつ、特別休暇(病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、新型コロナウイルス感染症対応のための休暇、不妊治療のための休暇、時間単位の特別休暇)の規定をいずれか1つ以上を新たに導入する。
  4. 対象事業場で指定する労働者の時間当たりの賃金額を3%以上引き上げる。

支給対象取組

 上記の成果目標を達成するために、次のいずれか1つ以上の実施が必要です。

  1. 労務管理担当者に対する研修(勤務間インターバル制度に関するもの及び業務研修も含む。)
  2. 労働者に対する研修、周知・啓発
  3. 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など)によるコンサルティング
  4. 就業規則・労使協定等の作成・変更
  5. 人材確保に向けた取組
  6. 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  7. 労務管理用機器の導入・更新
  8. デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  9. 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機などパソコン、タブレット、スマートフォンは原則として対象外。)

支給額

 以下のいずれか低い方の額となります。

  • 成果目標1から3の上限額(後述)および成果目標4の加算額(後述)の合計額
  • 対象経費の合計額×3/4(常時使用する労働者数が30人以下かつ、支給対象取組6から9を実施する場合で、その所要額が30万円を超える場合は4/5)

<成果目標1の上限額>

<成果目標2の上限額>

 25万円

<成果目標3の上限額>

 25万円

<成果目標4の加算額>

常時使用する労働者数が30人を超える中小企業事業主の場合

常時使用する労働者数が30人以下の中小企業事業主の場合

申請の流れと締切

 申請の流れと締切については以下の通りです。

  1. 交付申請書(名称が紛らわしいですが、「計画書」と理解すればよいかと思います)を労働局に提出(締切:令和5年11月30日。但し、11月30日以前に、国の予算額の制約により、予告なく受付を締め切る場合があります。)
  2. 交付決定後、提出した実施計画に沿って取り組み実施(締切:令和6年1月31日)
  3. 支給申請を労働局に提出(締切:事業実施予定期間が終了した日から起算して30日後の日または令和6年2月9日のいずれか早い日)