やむを得ず休業等の措置をする場合の助成金
景気の変動、産業構造の変化などに伴う経済上の理由(例年繰り返される季節的変動によるもの等は除く)によって事業活動の縮小を余儀なくされ、一時的に休業等(休業および教育訓練)または出向を行って労働者の雇用の維持を図る事業主に対する助成金を紹介します。
雇用調整助成金
<支給対象>
支給対象事業主:雇用保険適用事業所
支給対象労働者:雇用保険被保険者(※)
※休業等の実施単位となる判定基礎期間(賃金締め切り期間)の初日の前日、または出向を開始する日の前日において、同一の事業主に引き続き被保険者として雇用された期間が6か月未満の労働者等は対象になりません。
<特例の対象となる事業主>
日本・中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主であって、中国(人)関係の売上高や客数、件数が全売上高等の一定割合(10%)以上である事業主新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主(2020年3月4日修正)は、支給要件の緩和等の特例の対象となります。
注:総売上高等に占める中国(人)関係売上高等の割合は、前年度または直近1年間(前年度が12か月ない場合)の事業実績により確認するため、初回の手続の際に、中国(人)関係売上高等の割合を確認できる書類が必要です。
以下のような経営環境の悪化については経済上の理由に当たり、それによって事業活動が縮小して休業等を行った場合は助成対象となります。
(経済上の理由例)
・取引先が新型肺炎の影響を受けて事業活動を縮小した結果、受注量が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。
・国や自治体等からの市民活動の自粛要請の影響により、外出等が自粛され客数が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。
・風評被害により観光客の予約のキャンセルが相次ぎ、これに伴い客数が減ったために事業活動が縮小してしまった場合。
(2020年3月4日修正)
<主な支給要件>
原則 |
特例 |
実際に休業を行う判定基礎期間ごとに事前に(※)計画届を提出すること。 ※初めての提出の際は、雇用調整を開始する日の2週間前を目途に、2回目以降については、雇用調整を開始する日の前日までに提出。 |
計画届の事後提出が可能(※)。 ※令和2年1月24日以降に休業等がある計画届であって、 |
最近3か月の生産量、売上高などの生産指標が前年同期と比べて10%以上減少していること。 |
最近1か月の生産量、売上高などの生産指標が前年同期に比べ10%以上減少していること。(令和2年7月23日まで) |
雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数の最近3か月間の月平均値の雇用指標が前年同期と比べ、一定規模以上(※)増加していないこと。 ※大企業の場合は5%を超えてかつ6人以上、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上 |
雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数の最近3か月間の月平均値の雇用指標が前年同期と比べ、一定規模以上増加していても構わない。(令和2年7月23日まで。) |
実施する休業等および出向が労使協定に基づくものであること。(計画届とともに協定書の提出が必要) |
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過去に雇用調整助成金又は中小企業緊急雇用安定助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えていること。 |
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令和2年1月24日時点で事業所設置後1年未満の事業主については、生産指標を令和元年12月の指標と比較し、中国(人)関係売上高等の割合を、事業所設置から初回の計画届前月までの実績で確認。(令和2年7月23日まで) |
<支給額>
助成内容と受給できる金額 |
中小企業 |
大企業 |
休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成(率) ※対象労働者1人あたり8,335円が上限。(令和元年8月1日現在) |
2/3 |
1/2 |
教育訓練を実施したときの加算(額) |
1人1日当たり1,200円 |
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支給限度日数 |
1年間で100日、3年間で150日 |
<特例対象期間のイメージ>
なお、本助成金の支給条件は、このほかにも細かく決定されていますので、詳しくは厚生労働省のホームページをご確認ください。