令和2年度 地域別最低賃金

 地域別の最低賃金については、厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会が目安となる引き上げ額を発表し、その後に各都道府県の地方最低賃金審議会が地域の実情等を調査・審議した上で最低賃金額を示し、最終的に各都道府県の労働局長が決定する、という流れになっています。

 地域別の最低賃金は例年10月頃に改定されておりますが、令和2年度の各都道府県の最低賃金額(引き上げ額)が出揃いました。

 近畿2府4県では、大阪と京都が現状維持、兵庫・奈良・和歌山が1円の引き上げ、滋賀が2円の引き上げとなっており、引き上げとなる4県はいずれも10月1日改定の予定です。全国的には、40県で最低賃金額が引き上げ(引き上げ額は1円~3円)予定となっています。

 今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあって、中央最低賃金審議会が具体的な引き上げ額を示さなかったこともあり、筆者としては、ほとんどの都道府県で現状維持になると思っていましたので、引き上げ額が1円~3円と小幅に止まっているとはいえ、40もの県で最低賃金額が引き上げられることに少し驚きました。

 地域別最低賃金額の地域間格差はかなり大きく(昨年度の最高額と最低額の差は223円/時)、近年はその改善を中央最低賃金審議会等から強く求められていたため、そのようなことが影響したのかもしれません。