処遇改善(賃金除く)の検討 前年同期比10ポイント増加
2019年12月1日
厚生労働省公表の『労働経済動向調査』(2019年8月)によると、現在労働力が不足している事業所のうち過去1年間に何らかの『対処をした』事業所は70%、今後1年間に『対処をする予定』の事業所は66%であることがわかりました。
今後1年間の対処方法に関して注目すべきなのは、『在職者の処遇改善(賃金以外)』が前年同期と比べて10ポイント増加し、調査対象の3分の1強が検討しているという点です(今回34%、前回24%)。その内容は様々であると考えられますが、例えば休暇の取得促進、所定労働時間の削減、育児支援や復帰支援制度の充実など、近時の法改正により企業の取り組みが求められている事項を中心に検討している企業も多いことでしょう。
高度経済成長期には優秀な人材を確保するために、各企業で処遇改善や福利厚生の充実が競われていたものですが、ここにきて労働人口の減少に直面するようになり、処遇改善や福利厚生の充実に対して積極的に取り組もうとする企業が再び増加してきているということでしょう。
処遇改善や福利厚生に多大な資金を投入することは難しいことが多いと思いますが、ささいな事でも従業員の満足度を上昇させている事例を耳にすることもあります。自社の従業員に対してはどのような施策が効果的であるか、従業員の満足度を高めるためのアイディアを真剣に考えることで、人材獲得・人材定着において他社に1歩リードできるのかもしれません。