人材開発支援助成金(人への投資促進コース)
2022年7月1日
2022年4月から、人材開発支援助成金に「人への投資促進コース」が創設されました。人への投資は岸田政権が発足以来、一貫して協調しているもので、サブスクリプション型の研修サービスが認められるなど、助成の対象が広がりました。2024年度までの設置となる同助成金を紹介します。
A.デジタル人材や成長分野人材の訓練
1.高度デジタル人材訓練
- 対象訓練 高度デジタル訓練(ITスキル標準(ITSS)レベル3、4以上)
- 対象労働者 雇用保険被保険者
- 経費助成率 中小企業75%/大企業60%
- 賃金助成額 中小企業960円/大企業480円
2.成長分野等人材訓練
- 対象訓練 大学院(海外含む)での訓練
- 対象労働者 雇用保険被保険者
- 経費助成率 中小企業、大企業ともに75%
- 賃金助成額 国内大学院960円(海外の大学院については賃金助成の対象外)
3.IT分野未経験者訓練
- 対象訓練 IT分野関連のOFF-JTとOJTを組み合わせた訓練
- 対象労働者 15歳以上45歳未満の雇用保険被保険者である正規労働者
- 経費助成率 中小企業60%(75%)/大企業45%(60%)
- 賃金助成額 中小企業760円(960円)/大企業380円(480円)
- OJT助成額 中小企業20万円(25万円)/大企業11万円(14万円)
※助成率・助成額の()内は生産性要件を満たした場合です。
B.労働者の自発的な能力開発の促進
1.長期教育訓練休暇等制度の導入
- 対象制度① 長期教育訓練休暇制度(所定労働日において30日以上の連続休暇取得)
- 対象制度② 教育訓練短時間勤務等制度(所定労働日において30回以上の所定労働時間短縮及び所定外労働免除のいずれも利用可能な制度)
- 対象労働者 雇用保険被保険者となって1年以上の者
- 経費助成率 中小企業、大企業ともに20万円(24万円)
- 賃金助成額 中小企業、大企業ともに1日当たり6,000円(7,200円)
※助成率・助成額の()内は生産性要件を満たした場合です。
※教育訓練短時間勤務等制度については、賃金助成はありません。
2.自発的職業能力開発経費負担制度の導入
- 対象訓練 労働者の自発的な訓練であって、その費用の2分の1以上を事業主が負担したもの(eラーニングや通信制訓練も対象)
- 対象労働者 雇用保険被保険者
- 経費助成率 中小企業、大企業ともに30%(45%)
※助成率の()内は生産性要件を満たした場合です。
C.柔軟な訓練形態についての新規助成
1.定額制訓練に対する助成
- 対象訓練 定額制訓練(サブスクリプション型の研修サービス)
- 経費助成率 中小企業45%(60%)/大企業30%(45%)
※助成率の()内は生産性要件を満たした場合です。
限度額について
それぞれの経費助成には訓練時間数等に応じた上限額が定められています。
1事業所が1年度に受給できる金額は1500万円が上限です。ただし、「B.労働者の自発的な能力開発の促進」については、人への投資促進コース全体で1500万円に達していない場合であっても、200万円が上限です。
人への投資促進コースの概要は以上ですが、この他にもかなり細かい要件が定められていますので、厚生労働省ホームページなどでしっかり確認した上で利用するようにして下さい。