労務解説

掛け持ちで働いている場合の労災について

 兼業・副業を認める動きが少しずつ広がりをみせているところですが、掛け持ちで働いている場合の労災について、2020年9月1日以降に発生した怪我・病気について大きな変更がありましたので、ご紹介します。 全ての就業先の賃金を合算した額を基に、休業(補償)給付などの支給額の基礎となる給付基礎日額を計算する…
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雇用保険の給付が従来より早く受け取れるようになりました(自己都合退職の場合)

 雇用保険の被保険者であった従業員が離職した場合、所要の要件を満たしていれば雇用保険の失業等給付を受給することが出来ます。  離職理由が自己都合退職である場合、給付制限期間(3ヶ月)は失業等給付を受給できませんが、2020年10月1日以降に自己都合で離職した場合の給付制限期間が、5年間のうち2回まで…
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人員整理の手段と留意点について

 雇用調整助成金の特例措置(各要件の緩和や支給上限額の引き上げ等)が2021年1月以降は段階的に縮小される見込みが厚生労働省から公表されています。それを受けて、助成金を活用した雇用維持からの出口戦略を検討し始めた企業が多くなっているように感じます。  出口戦略は色々とありますが、人員整理を検討される…
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厚生年金保険料が上がります(高収入の場合)

 厚生年金保険の標準報酬月額の上限が令和2年9月より引き上げられます。これにより、給料・報酬が変わっていない方であっても厚生年金保険料の変更が必要になる場合がありますので、給与計算では注意が必要です。 <改定前 2020年8月分保険料まで> 等級 標準報酬月額 報酬月額 厚生年金保険料 全額 …
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令和2年度 地域別最低賃金

 地域別の最低賃金については、厚生労働大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会が目安となる引き上げ額を発表し、その後に各都道府県の地方最低賃金審議会が地域の実情等を調査・審議した上で最低賃金額を示し、最終的に各都道府県の労働局長が決定する、という流れになっています。  地域別の最低賃金は例年10月頃に…
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妻の不倫相手の勤務先に損害賠償請求 裁判所の判断は?

 妻の不倫相手の勤務先に対して、夫が損害賠償を求めた事件です(東京地裁 R2.6.1判決)。妻は報道機関で記者をしており、別の報道機関で同じく記者をしている男性と不倫関係となり、二人は同居するようになりました。  不倫相手を訴えるのはともかく、不倫相手の勤務先を訴えたのには理由があります。民法第71…
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新型コロナウイルス感染症に関する見舞金等の取扱い(社会保険)

 健康保険及び厚生年金保険においては、「労働の対象として受ける全てのもの」を報酬とするよう定められていますが、恩恵的なもの(結婚祝金など)や実費弁証的なもの(出張旅費など)は報酬の範囲から除かれています。  この度、新型コロナウイルス感染症に関連して従業員に支払う見舞金等の取扱いが厚生労働省より示さ…
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保険料を即座に下げる特例改定とは(健保・厚年)

<特例改定とは?>  新型コロナウイルス感染症の影響で従業員を休業させた場合、給与額が下がっても健康保険(介護保険含む)・厚生年金保険の保険料がすぐには変わらないため、手取りが大きく減って苦しい、または会社としても保険料負担が重いといったケースが多いかと思います。  この度、新型コロナウ…
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雇用保険の失業等給付が柔軟な働き方に対応

 雇用保険の失業等給付の受給資格を得るためには、原則として、離職をした日以前の2年間(※1)に「被保険者期間」が通算して12ヶ月以上(※2)あることが必要です。  この「被保険者期間」の計算方法が令和2年8月1日から変更されることになりました。 ※1 出産・育児や病気等で30日以上継続して賃金の支払…
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新型コロナウイルス感染症 労災・通災は認められる?

 従業員が新型コロナウイルス感染症に感染した場合、果たして労災や通災として認定されるのでしょうか? 労働災害について  従業員が新型コロナウイルス感染症に感染した場合の労災認定について、「新型コロナウイルス感染症の労災補償における取扱いについて(基補発0428第1号 令和2年4月28日)」によりその…
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