離職を余儀なくされた労働者を早期に雇い入れた事業主に支払われる助成金
労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)
「再就職援助計画」または「求職活動支援書」の対象となった労働者を早期に雇い入れた事業主に支給される助成金です。雇い入れた後に一定の要件を満たす職業訓練を実施した場合は追加支給があります。以前にご紹介した労働移動支援助成金(再就職支援コース)が離職させる事業主に対する助成金であるのに対し、こちらは雇い入れる事業主を対象としています。どちらのコースも離職を余儀なくされる労働者の早期再就職を目的としています。
【対象労働者の主な要件】
雇入れ直前の離職の際に「再就職援助計画」又は「求職活動支援基本計画書」の対象者となっていたこと
※再就職援助計画:企業の経済的事情により、1カ月以内に30人以上の労働者が離職を余儀なくされる場合に、企業がハローワークに提出するもの。
※求職活動支援書:45歳以上65歳未満の労働者が、事業主都合で解雇等されたときや、社内の高齢者継続雇用制度の基準に満たなかったために離職せざるを得なくなった場合に、職務履歴や職業能力などを記載して作成するもの。
【対象となる雇入れと事業主の主な要件】
- 離職日の翌日から起算して3カ月以内に一般被保険者または高年齢被保険者かつ期間の定めのない労働者として雇い入れること
- 雇入れ日から起算して6カ月を経過した日を超えて引き続き雇用していること
- 対象労働者を、雇入れ日から起算して6カ月経過後支給決定日までの間に事業主都合で解雇していないこと
- 対象労働者に対する賃金を支払期日までに支払っていること
- 雇入れの日以前1年間において、直前に対象労働者を雇用していた事業主と資本的・経済的・組織的関連性からみて密接な関係にある事業主でないこと
【支給額と申請手続き】
支給対象労働者一人あたり支給額(1年度1事業所500人が上限)
区分 | 第1回申請 | 第2回申請 |
通常助成 | 30万円 (30万円) |
なし |
優遇助成 | 40万円 (40万円) |
40万円 (なし) |
優遇助成 (賃金上昇区分) |
40万円 (40万円) |
60万円 (20万円) |
※括弧内は2021年1月1日以降に雇い入れられた支給対象者の場合です。
※優遇助成:一定の成長性が認められる事業所が、地域経済活性化支援機構の再生支援等一定の要件を満たした事業所等からの離職者を雇い入れた場合は優遇助成となります。
※優遇助成の対象労働者について、雇入れから1年後の賃金上昇率が2%以上である場合、「賃金上昇区分」の金額が適用されます。
【追加支給:人材育成支援】
雇入れた対象労働者に対して、一定の要件を満たすOff-JTによる訓練、又はOff-JTとOJTを組み合わせた訓練を実施した場合は、「人材育成支援」の対象となり追加支給があります。
事前に職業訓練計画を作成し労働局の認定を受けることや、雇入れから6カ月以内に訓練を開始することの他、訓練内容や時間数などについての要件があります。
追加支給の詳しい内容や、本助成金のその他詳細な要件・申請方法等は厚生労働省ホームページ等にてご確認ください。